コロナ禍や未曾有の自然災害など、世界規模の問題が頻発する昨今ですが、どんな時代も私達は前向きに乗り越える意気込みでおります。そのためには「備え」が大切ではないでしょうか。様々な局面に対応できるよう、準備を進め、お客様に迅速にサービスをお届けします。
近年では、障がい者支援の分野で福祉事業にも挑戦しております。SDGsの目標に賛同し、誰もが豊かに暮らせる社会づくりの一助となります。
私達はこれからも仙台・東北を支え、盛り上げる企業として邁進します。今後の当社にどうぞご期待下さい!
代表インタビュー
代表取締役 曳地憲が自身のこれまでの歩み、仕事観、人生観について語ります。働く人の想いが企業を創り、社会に影響を与えます。
代表のインタビューから、弊社が仕事に込める想いをお伝えします。
-- 曳地社長はもともと不動産関係に興味があってこの業界に入ったんですか?
曳地 興味でいうと、そもそも自分は法律的なものが好きでした。学生の時に、もらい事故にあい、大人の交渉ごとに巻き込まれる場面もありまして、そういう苦い経験も影響しているのかもしれませんね。それ以外にも、若い頃から「哲学」まではいかないですけど、「思想」というか、中国の歴史なんかの「如何に国を統治するか」みたいなことにはすごく興味がありました。-- やはりそれも法律的な事に繋がるのでしょうか。
曳地 例えば日本は今法治国家なわけですが、国には法律という基準があるので、個人の好き嫌いではなく、その基準に沿っているかいないかで判断することができます。そうやって国を治めていくのが一番いい。そしてもめ事など話し合いの場ではルールを知っている者が一番強い。尚且つもっと強いのはルールを作る人。スポーツだってそうですよね。ルールがあって、ルールを知っていて、そのルールを上手く活用できる人間が強い。でも、なぜか、そのルールは世の中に公表されているのに、みんな知ろうとしない。なので自分は「これは身につけたら強みになるな」と思ったんです。
-- ということは本当は弁護士になりたかったんですか?
曳地 目指せるレベルではなかったですし(笑)。「絶対に弁護士になってやる」という感じでは無かったですが、興味はありました。それに近しい本も相当読み込んでいました。単純に好きなんですね。さっき言った事故の交渉では子供だったので、保険屋さんにいいように言いくるめられちゃうわけですよ。でも後から調べると「あれ?もっと言えたのに」というのがあって。結局、世の中ルールを知っている人間が強いんだって思ったんです。…そんな中で、前置きが長くなりましたが、なぜ不動産屋さんかという話ですが、大学2年生の後半くらいから「そろそろ就職どうするか考えなきゃな」と…。それで「世の中で必要とされている仕事、時代が変わっても食いっぱぐれが無い仕事って何かな?」って考えたら「衣食住」に関わる仕事は無くならない、その中でも私は「住」が一番重要な要素だと思ったんです。何に取り組むにも、人間が社会生活していくために「自分の拠点」がないと安定しませんからね。
それで、まずその業界に「有利に」入り込むにはどうしたらいいかと考えた…。不動産業界に必要な資格と言えばまずは、宅建資格…、宅建資格を取るタイミングは、多くの人は業界に入ってから…、ということは、4年生の就活の時に既に持ってたらかなりポイント高いんじゃないか、と思ったわけです。それで、3年の時に猛勉強して、3年の秋に宅建の試験を受けて取れたんです。
-- 持ち前のすごい計算と実践力ですね。すぐにいい会社に就職できそうです。
曳地 ですよね?東京あたりの不動産関係の大手を目指すべきところですが…、残念なことにそこから生来の面倒臭がり屋というか、チャランポランのところが出まして、就職活動は一応やったものの、あまり情熱はなく「仙台でどこかに入ればいいや」ってなっちゃって(苦笑)。…で、当時「宅建の資格手当」が大手は1万~3万円くらいの時に、仙台で5万も出してくれる会社があり、「新卒で5万は大きいな」って思ってそこに入ったんです。なぜこの仕事を選んだかと言われると、そんなかんじなんですよ。-- 最初は特に強い思い入れも無く入った不動産業界かもしれませんが、この世界に入ってだいぶ長続きしたじゃないですか。結果的に社長にまでなった…。
曳地 23歳から働き始めて今年47歳になるので、24年になります。-- なぜこの業界で長く働き続けられたと思いますか?好きじゃなかったら続けられなかったと思うのですが…
曳地 私は不動産業に限らず、どんな仕事でも「働くこと」って面白い、楽しめる、楽しもう、とういう考えが根底にあるんです。私の感覚だと、とにかく二十代、三十代は自分の貯金の期間で、40歳過ぎたら、貯金の切り崩しで仕事を繋いでいくイメージ。二十代、三十代でがむしゃらにやって実質的な仕事のスキルと人脈などを獲得し、40歳を過ぎてくると、若い時の努力を見ていてくれた人が、「そういうえば君は、あの時頑張ってたね」って認めてくれるというかんじ。-- 何かしらの「やりがい」がなかったら、20年も続けることって難しいと思いますが。
曳地 もちろんやっていて喜びはありました。初めて契約を取ったとか、自分の提案にお客様も共感し、同じ方向に進んでくれたとか。100億円規模の大きな仕事にかかわったり。そういうのも振り返れば楽しかったし、気分も高揚しましたし、もちろんいいことばかりではなく、思い悩んだり、心痛めたりもありました。この不動産の仕事の魅力って分かりやすく言うと、人の人生に関われる部分が大きいかなと思います。結婚して新居を買うとか。独立開業する人に店舗を紹介するとか。そういうのを一つ一つお手伝いして、疑似体験もできる。
-- 曳地さんは、その時その時でその仕事を一生懸命やるし、楽しむけど、それだけではなくて人生単位で考えているんですね。
曳地 だって、生きる=仕事じゃないですか。今いる環境で楽しみを見い出す。どんな仕事もその場で楽しんで充実感を感じられることも才能っていうか、そう感じられるように努力をしないといけないんだろうなと…。初めて言語化しましたけど、多分根底にはそういう自分がいるんです。実はこう見えて、自ら積極的にガツガツ行くタイプではなくて、「あんた、これやって」と言われたら、それを一生懸命やる。そうやって今まで生きてきた感じなんです。
入った以上は、なるべく早く状況を把握することと、やるからには楽しむ。楽しむためには、絶対にルールを把握しないといけない。「はい、やります」って言ってから必至で調べまくる…。そしてものすごく勉強してますアピール(笑)。
-- 実際に勉強しているじゃないですか。アピールだけではなくて。
曳地 そんなこと無いですよ。一番意識しているのは、自分の発言力が増す小細工テクニックとか心理学とかです。-- そうなんですか?!知能犯なんですね。実は熱い人かと一瞬思ったんですが(笑)
曳地 知能犯と言われるのは喜びです(笑)。学生バイト時代の恩師にも言われたんですけど、「オマエはまず見た目で絶対に損をする」と。「そのワチャワチャした雰囲気が、こいつチャランポランなんじゃない?大丈夫か?とか思われがちだから気を付けろよ」と(笑)。でも、実際にちゃんと繋がりができて関わると、真逆だと言ってもらえることが多いんです。前の会社の上司からも大阪弁で「ひきっちゃんはな、取っ掛かりで損してんねん。ちょっと軽すぎるわ」と言われて「あんたに言われたくないわ」と思ったんですけど(笑)。-- すみません、私も最初そう思いました。でも少し話すと、初めて会うのにいろんな話をしてくれて、弱みもさらけ出すし、そのギャップに困惑しました。
曳地 それは長年で染みついたテクニックですね。今では意識せずにやっていますが、仲良くなるために自分の弱みを先に見せるというテクニック。それを実践しているだけです。-- 計算だったんですか?!ちょっと残念。やっぱり知能犯なんですね(-o-)。
曳地 いや。単にビビりなんです。本当は臆病なんです。だから準備する。武器を揃えるんです。子供の頃から自己顕示欲が強いせいか、不良グループに本気でいじめられもしましたし…。「不良でもないのに目立ってんじゃねぇよ」とか言われて。それで人間関係って「面倒くさいな、これは配慮を覚えなくてはダメだな。」と思ったんです。結果として、自分が安全に、できるだけ有利に生きるために、しかもそれがバレないように、上手にやっていくために法律に詳しくなったり、心理学的な本を読み漁ったり…。結局自分を守るためなんです。-- いずれにしても自己分析がそこまでできているって、すごいです。
-- 曳地さんの好きな言葉、大事に心に刻んでいる言葉はありますか?
曳地 昔から好きなのは、「禍福は糾える縄の如し」とか、「人間万事塞翁が馬」、この2つは結構常に思っているかもしれません。良いこともあれば悪いこともある、だから一喜一憂しない…。実は「無為自然」が一番好きな言葉かもしれない。要は、「なるようにしかならない」というか…。ケセラセラとか、マイペンライとか…。どの国に行っても一つはあるじゃないですか。こっちで言うと「明日は明日の風が吹く」とか。
-- なるほど。若い頃からがむしゃらに何でもやってきて、いっぱい苦労して、悩んで、気を使って、工夫して、身を守るために、色々計算して、考えて、考えて、考えて、…、辿り着いた答えが「無為自然」みたいな…。
曳地 そんなかんじかもしれません。自分が一番許せない事って、価値観の押し付けなんです。自分の立場や力関係を利用して、人の思想を統制するようなこととか、そういうのが一番嫌です。100億人いたら100億通りの考えがあるので、それぞれが尊重し合うことが、人間の尊厳につながると思うので、そうなるともう、なるようにしかならないですよね。「やっても無駄」という意味ではなくて、「なるようにしかならない」という前提があった上で、自分なりにロードマップ作って、目標を定めて、そこに向って頑張っていく。そういう頑張っている姿をけなしたり、ちょっと聞いただけで全否定するというのは、絶対に許せないですね。
-- 仲間との間で大事にしていることは何ですか?色々な仲間がいると思いますが、会社の仲間、仕事の仲間…。
曳地 一言でいうと「距離感」です。距離感を間違えると、相手に対して勝手に期待だけ大きくなって思った通りの答えが来なかった時に「裏切られた」となってしまうじゃないですか。無償の愛ならばいいんですよ。「自分は何も得るものが無くてもいい、自分がそれをやりたいと思うから、ここまで尽くした」という。でもそれって夫婦間でさえも難しい。等価交換の法則的なものが無意識に働くので。自分の価値観で、そこまでやったのに、同等のものが返ってこないと、絶対がっかりすると思うんですよ。そうすると、余計な嫉妬とかが入ってきて失敗に繋がる。かと言って人は一人では生きていくことができない。
だからこそ「距離感」大事です。
-- 距離感。まだまだ修行中という感じですね。
曳地 そうです。死ぬまで。-- 曳地さんが死んでも絶対に変えたくないこと、天変地異が起きても、これだけは曲げないだろうというポリシーは何ですか?
曳地 ずっと言ってますが「価値観の強制をしない、尊厳を大事にする」ということです。今の世の中はどっちかと言うとお金を稼ぐことが、成功とされていて、効率を求められる。一つのシステムの中に、自分自身が部品として乗っかっていかなくてはいけない。何も考えずに、思考停止状態になることが良いとされ、それに疑問を感じた人の方が変わり者と言われてしまう。枠からはみ出しそうな兆しを見せると叩かれる…。それが嫌なんです。価値観の押し付け。集団心理と言うか…。
「こうあるべきだ」と出る杭を叩くのではなくて、これからは「あいつは変わっているよね」と言われるのを、むしろ誉め言葉だと受け止めるくらいのメンタルを持った若い人がドンドン増えた方がいいって思っているんです。そのためには私たち世代がある程度、外枠は作ってあげないといけないかなと。色々なことを自由に発言できる、チャレンジできる環境とか。それが今の自分たち世代の役割りなんじゃないかって感じているんですよね。
それに、自分も多少なりとも人に認めてもらえる部分があるならば、それは出し惜しみしないで残していきたい。そういうのって人類脈々と続いていることですし、自分も前の世代から受け継いできたわけです。もし何も残さなかったら、使命を果たしていないことになるのかなってここ数年で感じるようになりまして。…でも、それさえも自分の価値観の押し付けなのかな?
いずれにしても今の若者って、自己肯定感がすごく低いというのがよく話題になるんですけど、自己肯定感を高めるには、比べるものが少なければ少ないほど良いと思うんです。今の日本は「こうでないといけない」という集団の価値感が強くて、それにはまっていないと、「自分はダメなのかな」と、考えざる得ないような世の中になっていると思います。そこに自分としては一石を投じたい。
-- 次の世代にはどういったことを伝えていきたいですか?
曳地 仕事で言うと、不動産に関わらず「ウソをつくな」、「遠回りしろ」、「説明する労を惜しむな」、とホントは伝えたい…。今まではスピード優先、効率優先だったかもしれませんが、「雛形があるから、それを出しとけ」とか、「これで納得しないなら、うちのお客では無い」というような仕事は、その担当者に対して「お前は頭を使わなくてもいい」って言ってるようなもので、それこそ、AIが代わりにやれる仕事になってしまう。0から1にする仕事こそ、人間が一番やるべき部分で、自分を磨くチャンスなんです。それ以外の仕事って将来的には本当にAIがやるようになる思います。0から1を生み出すのは、簡単ではないし、ある意味「才能」なので誰しも出来ることではない。でも、それをやる努力を惜しんでしまったら本当に人間の存在意義がなくなってしまいます。
-- 新規事業として福祉の分野にも参入し始めたとのことですが、それはなぜでしょうか。具体的にどういう事業になりますか?
曳地 人間の平等性を考えた時に「障がい者」の人たちが、もっと前に出て自分らしく働ける環境があってもいいと思ったからです。今のところは国の事業ですしビジネスの観点からもリスクが小さいということも正直なところです。これからどんどん日本の人口が少なくなって一億人を切って、若い人たちばかりになってしまったら人数が少ない中でどうやって生産活動を維持していくかというと、AIや外国人労働者に頼るばかりではなく、障がい者の方々の能力をもっともっと生かすべきだと思うんです。そう考えた時に弊社としては不動産業の強みを生かして、彼らが働きやすい環境、場所を用意して「福祉事業に取り組んでいます」ってアピールできたら、SDGSの考え方的にも企業活動として沿うことができ、何より社会の在り方として健全だと思うんです。なぜなら福祉事業所って、比較的郊外の方でお菓子なんかを作って「お涙頂戴」的なスタンスで商品を販売しているところが多いんです。買う人もお情けで買っている場合が多い。でも私は「それは違うな」と…。ぜんぜん持続可能じゃない、健全なのか?と。
弊社のプロジェクトは大枠で言うと、障がいを持った方に作業としてテーマに沿った絵を描いてもらうところから始まります。それをモチーフとしてプロのデザイナーに依頼し、オシャレなアパレル商品を開発して企業に販売したり、ECサイトで販売するというものです。でも、そもそも最初はそんなに沢山売れるものではないので、例えば「企業ユニフォーム」や「ノベルティグッズ」制作を企業にご案内するところから開始する予定です。
-- 着々と進んでいるわけですね。
曳地 そうですね。自分としては新卒で不動産業を始めた時よりも、かなり真面目に取り組んでいます(笑)。それこそ0から1にする部分を今必死にやっているところです。-- 曳地さんの理想の未来を教えてください。御社と関わった人はどうなりますか?あなたのお客様と従業員が増えると、世の中はどうなりますか?
曳地 弊社と関わった人は充実感とか満足感を得る事ができ、幸せになると思います。「関わる人に笑顔になってもらいたい」とか、「喜んでもらいたい」とか、大概の経営者さんが言いますが、私も素直にそう思いますね。関わったのであれば、必ずその人に満足してもらえるような仕事をしたいし、それが出来れば結果的に自分も満足できるので。目の前にある仕事を真摯に誠実に、説明を省かず、労を惜しまずに取り組んでいけば、普通に次の仕事に繋がると思うんです。とにかく誠実に…。ホスピタリティは大事だなと思っています。
-- とても面白いインタビューでした。ありがとうございます!
毛利美菜子